コラム|木枯らしの探偵

木枯らしの探偵

肌にあたる風に冷たさを感じる季節となってきました。

さすがにこの時期、夏物衣料ではチト厳しい。

というか、

  「早くころもがえをしろよ!」

というツッコミをいただいている今日この頃。皆様いかがお過しでしょうか?

ところで、このところ会社帰りのターゲット男性を追尾する毎日です。

混み合う電車内では、ターゲットとの距離をあけないようにして監視するのが基本。

そして窓にうつるターゲットの顔や手元の携帯などに神経を使えると探偵としてのグレードが上がります^^;

つまり下車しそうな気配を早めに察知して、次の行動に備えるわけですな。

かといって楽ではない尾行。

人いきれで押し潰されながらのストレス尾行が続いておりまする…。

まっすぐ帰宅するときは、電車に揺られること小1時間。そしてその間、人が増えることがあっても減ることはない、なぜか。

コレより先にまだ降りる人たちがわんさかいるかと思うと、長距離通勤者がいかに多いかが容易に想像できます。

電車に揺られて過ごしていると、
「長距離通勤者の皆様は、どうやってこの日々のコミコミ長旅をクリアーしているのか?」
と素朴な疑問が湧いてきます。

周囲を見てみると、

1.寝る。
2.読書。
3.音楽を聴く。
4.携帯メール。
5.携帯ゲーム。

がベスト5といったところでしょうか。

いやいや、ダントツの一位がありました。

ひたすら耐える。

ですぅ。

この忍耐力があれば、張込仕事も皆さん出来そうですわ。

そんなことはさておいて、ターゲットを追い続ける土谷。

そんな土谷に試練のときが・・・。

あれは強風が吹きすさぶ小雨混じりの夜でした。

帰宅ルートに乗ったかと思ったターゲットが途中下車。
乗り換えて別の路線へと移動、そして繁華街へと到着したのです。

変化の先には女の影アリ。

駅前で雨をよけながら携帯を見つめるターゲット。

待ち合わせサインがバリ3ですぅ。

そしてターゲットは携帯メールを確認して、雨の中を傘を開いて移動を開始。

これは店に直行の気配。

土谷も激安ビニール傘を開いて、さぁ追尾です。

しか~し、開始5秒で一陣の突風が土谷に襲い掛かったのです。

あはれ、ビニール傘はおちょこへ。

しかもビニールまで持っていかれて、骨だけに・・・。

なんとか建て直しを図ろうとする不屈の男@探偵土谷。

しかし無常にも二の矢が打ち込まれる。

風に舞い飛ぶチラシが顔面にペタっ!

窒息させようとする死神のいたずらなのか。

むおぉ、前が見えねぇ。息ができねぇ。

そんなピンチの土谷に三の矢が。

駅前のみなさんの失笑が聞こえる…。

  「ありえなくね?」

無邪気な女子高生の笑い声が聞こえる…。

  「キャッ、漫画みた~い」

瞬間的に聴覚がウサギ並みにアップした土谷にはしかと聞こえました、ハイ。

そのあと、どーしたって?

チラシをかなぐり捨て、ターゲットを目視した土谷は、何事もなかったかのように骨傘を静かに閉じ、尾行を続けましたヨ。

少しナミダを滲ませながら・・・ネ。

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