探偵・声優・魂
早いもので、ひと雨来たら秋の気配が漂ってきた今日この頃。
寝苦しい熱帯夜から解放されて、ほっとしている方も多いのではないでしょうか。
土谷も調査の合間をぬって話題の24シーズンVを見ました。おかげで一日寝不足になりましたよ・・・。
しかも、えっ、そんなところで切るの!?てな具合で、フラストレーションが溜まってしまい、次のリリースが待ち遠しい状態。
完全に作り手側の思う壺です。
長丁場の24なので、土谷は吹き替えにしてみています。
主人公ジャック・バウアーを演じる声優さんは小山力也さんという舞台俳優さんでERなんかでもジョージ・クルーニーの吹き替えをされていた方です。
アニメの声優も多く手がけている方で、メリハリの利いた声と演技が人気の高い声優さんなんですね。
ところで、しゃべり方ひとつ、抑揚ひとつで人柄や緊迫感といったものが伝わるものです。また声質や息継ぎのタイミング、訛りなども声から作られる人格の一つともいえるでしょう。
皆さんも経験ないでしょうか?
顔は知らないがいつも電話で話す相手の顔を、ひとり勝手に想像したことが。
いつも電話したら出る○○商事の受付女性の顔。
たまに掛けてくる地方支店の男性社員の顔。
土谷は、ラジオで渋滞情報を教えてくれる、
JARTIC日本道路交通情報センターのおねーさん
がどんな人なのか気になってしょーがありません。早口で冷静かつ業務的な感じを受けますが、そのウラ側が知りたい…^^
それだけ声は相手に与える印象が強いものなのです。
また電話では、表情が見えない、つまり視覚的情報刺激がないために聴覚に集中して相手を"見よう"とするのですね。
こういった声について意識するときがあります。
それは電話を使った調査や工作の場面です。
話す相手やこちらの設定などに合わせて、しゃべり方を作り上げる必要があります。
堅苦しいしゃべり方、
緊張した感じのしゃべり方、
相手を軽く見たような話し方、
いい人そうな話し方・・
など、状況に合わせてしゃべり方、話し方を決めておきます。
例えば、依頼人の浮気相手に成り代わって、彼氏と話すときには最終的には身を引く形をとるまでの流れを想定して、その都度話し方も変えていかねばなりません。
最初は緊張した感じで入り、
途中から怒りを含んだしゃべりにして、浮気オトコなりの意地をみせ、
彼女の気持ちが自分にないことを知ると弱気になり、
最後は負け犬を演じながらフェードアウトする・・・。
そういった一連の会話の流れの中で、こちらの感情を相手に分からせる。それによりリアリティを出すわけですね。
これがただ謝るだけでは彼氏もなかなか納得しないし、場合によっては今後も関係が続くから、今を乗り切るために適当なことを言っているのではないか、と疑われてしまいます。
実際にこうした状況になったときに、どういった感じで人は話すだろうか?
そういったこと念頭において、かつ、相手の感情や意図を汲み取って、それに合わせた話・話し方をすることがポイントです。
電話工作の台本には細かい台詞はのっていません。おおまかな流れしかないのです。
言わなければならないセリフをいくつか挙げておき、
それをどこでどういう風に効果的に言うか、ということなのですね。
声は想像力をかきたてます。
それを逆手にとって工作するのが探偵なのですねぇ。
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