コラム|はだしのストーカーを探せ!

はだしのストーカーを探せ!

秋も深まってきましたねー。

コンビニのサークルKサンクスでは、『とろさんまの炙り焼寿司』が大好評のようで、いまだ口に入れる機会がなく、悲しい思いでサンクスから出てくることが多い、コンビニ探偵@土谷でございます。

仕事でもプライベートでも、コンビニ依存率が高いため、こういった季節ものに弱い。というか、通常品はほぼ食べつくしているわけで。

  あぁ、とろさんまに出会いたい。

とろサーモンでも、とろろでも、隣のトトロでもなく、『とろさんま』が頭から離れない今日この頃なのです。

たしかあの日も『とろさんま』と出会えず、肩を落としてコンビニを後にした記憶があります。

ただその日は『とろさんま』よりも強烈なことがあったのです。

都内某所、深夜零時。
小雨が降りしきる中、土谷とジーパンは張り込んでいました。
ターゲットの部屋は暗く、まだ帰宅していないことは確認済み。

うら若き女性からの依頼で、ストーカーの居所をとうとう突き止めた我々探偵。そして今日は彼女の恋人役&友達で直談判するつもりでおりました。

ある日いきなり彼女の郵便受けにラブレター入れてきたストーカー。

 「前から見てました。よかったら付き合ってください。
近くに住んでいるので、返事はここに入れて置いてください。」

なんという一方的な恋文っ!こにって、それは彼女の家のポストじゃないっ!

あなおそろしや、てなワケで依頼を受け、ポストをのぞきに来る男を、深夜に及ぶ張込で見つけたのです。

そして2階建ての小さな賃貸アパートに男が帰ってきました。男の部屋は1階の真ん中。
コンビニ袋をぶら下げ、部屋に入り、灯りがついたのを確認したところで、土谷とジーパンは玄関へ急行。

インターホンを押し、しばしの沈黙。さらに押すとようやく出てきました。

 「なに?なんの用だよ?」

 「●●クンだよね。きみが入れた手紙のことで話があるんだけど。」

 「・・・、なんのことかわかんないけど?」

 「俺、彼女と付き合っているもんだけどさ、彼女嫌がってんだよ。ちょっと出てきて話できないかな?」

 「・・・。」

 「君だってことはわかってんだよ。とりあえず出てきてよ。」

 「・・・、(ガチャ)」

切られてもめげません。さらにインターホンを押す土谷。

しかしなぜか灯りが消え、奥でピシャッという音が!

 「今、ピシャッっていったよな?まさかベランダから逃げたんじゃ…。」

ダッシュで裏に回るジーパン。

息を切らして戻ってきて、

 「やられました。いないっす。でもベランダにはサンダルとか元々なかったですよ。」

  ということは・・・、はだしで逃走!? 'o'; (汗)

思いもよらぬ展開。

我々をなにと勘違いしたものか・・・。

とりあえずそう遠くには行っていないと踏んで、付近を捜索開始です。

マンションの非常階段に、公園、駐車場の影。迷いネコを探すくらいの勢いで、あたりをうかがいながら視線を飛ばす土谷。

ジーパンは家の前で張り込みます。

なんだか、かくれんぼのオニになった気分。地の利の無さが、このさい不利ですが、そうも言ってられません。

2時間後・・・、

 「ジーパン~、みつからねーよ~。はだしのゲン、帰ってきてないよね?」

 「ないっす。ゲンのヤツよっぽど遠くに逃げたんですかね。」

 「やみくも探してもしょうがねーな。出直すかな。」

とゲン扱いしながら探偵二人は車に戻り、一服していると、

物陰から足音もさせず、サルのような軽捷さで、猛ダッシュでベランダに滑り込むはだしのゲンこと、ストーカー君が見えちゃいました。

足痛いだろうに、と思いながらも、タイミングよく戻ってきたので、容赦なく再度玄関へ。

ノックしたあと、出ないが内側で耳を済ませている彼に、これ以上やると云々かんぬん・・・と言うことはきっちり言って釘を刺しておきました。

依頼人様に流れを報告した後、あれだけビビッていれば大丈夫でしょう、と付け加え、現場を後に。

車をころがしながら、そして遅い夕飯を食べながらも、ずっと気になっていたのが、

  彼がどこに隠れていたのか、(しかも裸足で!)ということです。

あれからパッタリと何もなくなって、なによりなのですが、

  オニとしては、気になってしまうのですぅ。

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