何かが見える、何かが聞こえる。(後編)
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路地に巣食う魑魅魍魎をやりすごし、あらためて集中するオレたち。
しかし不倫カップルの行く手には、またもやおびやかす存在が…!
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その後、居酒屋から出てきた不倫カップル。お酒も入って、いい具合に腕を絡めて歩き出す。
慣れた感じで、大通りから路地を抜け、人気のない方へ…と移動。
いったいどこへ行くんじゃろ?
そんなほうに隠れ家的なホテルがあるんかね??
そんなことを思いながら、ばれないように慎重に尾行する。暗い夜道と人気のなさのため、難易度が高いのです。
するといきなり左手に消えた不倫カップル。左手には暗い森影があるのみ・・・。
小走りで近づき、よく見ると公園でした。
あぁーなるほどね。季節柄、いちゃつくにはちょうどいいわな~。
ただ身を隠すところが少ないのが難点。仕方なくベンチでいちゃつく二人を、茂みから隠れて撮影。
暗くて写りが悪いので、さらにほふく前進しながらにじりより、撮影。
はたから見たら、
まさしく出歯亀です(汗)
とりあえず撮影を終えて、遠目から監視していると、公園の主とも思えるおじさんがそばにいることに気がつきました。
一斗缶に木片をいれ、小さな焚き火をしています。
ときおりピシッと火の粉が弾ける音が、静寂をかき乱します。
フト見るとおじさんはなにやらピシッと火の粉が舞い上がるたびに、誰かに話しかけているようです…。
「(ピシッ)そうかぁ~、大変だったなぁ。」
「(ピシッ)そうかぁ~、よくわかるよ~。」
「(ピシッ)んだなぁ~、おまえはよくやってるよ。」
「(ピシッ)俺も、こんなんなっちまってよぉ~。」
何度見ても、どんなに目を凝らしても、おじさんと火の粉以外何もない暗闇…。
誰と話しているの?おじさん??
おじさんには見えるんだね。
見えてるんだね、何かが・・・。
ぬわぁぁぁっっ!怖いよー(泣)
そのタイミングで土谷の携帯がブルブルと震えました。
「うひっ!おどかすないっ!なんだよ?」
「アノおじさん、さっきから何やらしゃべっていますよね。」
「見ないほうがいい。俺たちには見えない誰かと話しているみたい。」
「誰かって…?」
「あぁ、しかもなんか苦労話してるっぽい・・・。会話が成り立っているみたいだし。」
「・・・。」
「集中力、削られないようにな。」
「・・・はい。」
コンステレーションを刈り取る出来事の連続。魔境に足を踏み入れてしまった。
そして後日、おそるべき新たな事実が発覚したのです。
出歯亀状態で公園で撮影した写真の中の一枚。
いちゃつく不倫カップルの背景に、焚き火のおじさんが小さく写りこんでいます。
あぁ、このおじさんいたなぁー、なんて思い出していると、
うんっ?
なにこの白いの?
ぎょぇーーーっ!
おじさんの斜め前に火の粉とかぶって、白いもやのようなものが・・・
これが、ひょっとして
"エクトプラズム"ってヤツですかい?
霊体ですかい、心霊ですかい。
浮気証拠写真が心霊写真になるとは・・・。
南無阿弥陀仏・・・とりあえず塩撒かないと。
現場にいた3名の背筋に、ゾクッと寒い線が走ったのは言うまでもありません。
その日からシャンプーのときに目が閉じられない土谷。
今日も充血気味です…。
- 2005.09何かが見える、何かが聞こえる。(前編)
- 2005.09追跡! 魔性の女を追えっ!!
- 2005.08増刊号 その1.魅惑のサタデーナイト尾行
- 2005.08増刊号 その2.誘惑のサタデーナイト尾行
- 2005.08増刊号 その3.疑惑のサタデーナイト尾行
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