そこのけ、そこのけ、探偵が通る!
どかない人がいるのです。
ターゲットに引き離されまいと、急ぎ足になるときに限って、狭い道や通路を塞ぐように、どかない人々がいるのです。
例えば、
一、おしゃべりに興じる午後の貴婦人たち
一、携帯画面を見ながら歩くAボーイ系おデブちゃん
一、しっかりとお手手をラブつなぎして、そぞろ歩くカップル
一、ベビーカーを押していればナニをしても許されると思っている母親
一、電車の乗降口でなぜか踏ん張っているオヤジさん
一、団体旅行の大陸系の方々
・・・etc
「道はみんなのものなのサ」
そう言いたいのをグッとこらえて、
「すみません、すみませーん! 通してください。 あっ、どーもすみません。」
と、ひきつった笑顔で言う土谷。
そんなとき、一度はこんなことしてみたいなぁ、と思うわけですよ、土谷は。
刑事モノやアクション映画なんかでよくあるじゃないですか、
主人公が犯人を追いかけるシーンで、(なぜかエスカレーターや階段が多い)
通行人にバシバシ当たったり、突き飛ばしたりして、
「もうぅ~、なんなのよぉ~」
「危ねぇゾ、この野郎! 気をつけろ!」
と罵声を浴びせられながらも、必死に追跡するシーンが…。
主人公の懸命な感じと、溢れるスピード感。事件に無関心な人々との対比がよく表現されてます。
しかもぶつかられる人は、逃げる犯人にまず1回、そして続けて犯人を追う主人公に1回と、
たいてい2回、ぶつかられます。
(そして同じ罵声を繰り返す・・・)
しか~し、そうはいきません。
ぶつかっていたら、単純にスピードは鈍るし、下手するとトラブルの元になりかねません。
爪先立ちのサイドステップを踏みながら、道行く人々の間をすり抜け、
"お願い"
と
"へりくだり"
の大和魂で切り抜けるのです。
♪目立っちゃいけない、知られちゃいけ~ない~
これも、運命なのかしらん。
(↑と書いて「さだめ」と読む感じ。)
皆さん、急いでいる人には、道をあけてあげましょう。
その人は探偵かもしれないですから・・・。
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