待ち人来たる!?
春から夏にかけて爽やかな陽気になってきました。外張りしている私たちは身をもって季節を感じております。
しかしこの季節の変わり目。突然の夕立は立ち張りしている私たちにとってホント生き地獄です。
今日もどんより曇り始めた空を見て、
雨男はオレじゃない!と言い張る、雨男容疑者@土谷でございます。
ところで、この前、気になる男性を目撃しました。
とある関東近郊の駅前で張り込む土谷と九州秋山。
ターゲットは比較的乗降者数の少ないこの駅を利用しているとのことから、写真をにらみながら、車で張り込んでおりました。
駅から出てくる人々をチェック。写真と照らし合わせて脳内マッチング作業です。
小さな駅前にはコンビニが一軒あるだけで、幸いにも人は少ない。駅前のロータリーも車はチラホラです。
しかしフト見ると、同じように駅から出てくる人に目を配り、またロータリーに時折くる車両に視線をやる男性に気付きました。
年のころは20代後半でしょうか。Tシャツはワークパンツにinされており、流行の最先端のその先を行くたたずまいです。
彼は花壇に腰掛け、右手に持った携帯を握り締め、メールをチェックしては顔を上げ、また視線を周囲にぐるっと巡らせます。
まぁ、どーみても誰かを待っている様子。
しかもその人物は彼の様子から察するに、
待ち合わせ時間より遅れており電車で来るのか、車両で来るのか分からない…。
そんな人物のようです。
彼の足元にはタバコの吸殻がいくつかあり、我々が張り込み開始するよりかなり前からそこにいた様子がうかがえます。
彼は落ち着きの無い様子で、改札まで行ってみたり、また下りてきたり…。
携帯のメールチェックも頻繁でございます。
「出会い系の待ち合わせですかね。
こんな人の少ない駅前なんて、地域密着型の出会い系サイトじゃなかとですかね。」
秋山の読みはなかなか鋭い。
「そんな感じだよね。なんか出会い系スパムメールでよく来る、『あなたに女社長が逆援助!』みたいなヤツだったりして・・・。」
こんな予想があんな形で立証されようとは、このときは分かりませんでした。
そんな彼が3本目の缶コーヒーに手をつけたとき。そして彼を目視してから2時間もたったときでしょうか。
彼は腰掛けていた花壇からいきおい良く腰をあげ、
1歩、2歩とまるで何かに操られるように前に歩き出したのです!
とうとう、待ち人が来たのか!
いったいどんな人なんだろ?
はたして出会い系なのか!?
そう思った土谷と秋山は、彼の視線の先へと目を向けました。
すると駅の向こうから、
夜の蝶というか蛾というか・・・、
激しいスリットスーツにド派手なメイク。
傷みすぎた茶髪を揺らすオバサマ
が現われたのです。
彼の目は見開き、口は半開き。間違いなく彼はオバサマに反応しておりました。
ココロの中で、「キターーー」と叫んでいたことでしょう。
しかぁーし!
オバサマは彼には見向きもせずに、駅へと急ぎ足で消えていきました^^;
どうやらこれからご出勤のちーままサン(予想)だったみたいです。
見るも無残にうなだれて、花壇に重い腰をおろす彼。そんな彼を見て、恋の守備範囲の広さに驚く二人。
そして
「騙されてるよな、たぶん。」
とつぶやく土谷にうなずく秋山。
おそらく彼は、
"アナタだけに無料で女社長をご紹介!"
"ナント恋のご奉仕でお小遣いが貰えます!!"
そんなコピーに踊らされ、入会金だか補償料だかを10万円ほど振込み、期待に胸をふくらませて、女社長を待っていたのでしょう。
ただ彼の女社長のイメージは少々偏っているかもしれませんが・・・。
おそらく彼の携帯には、
『仕事でちょっと遅れますぅ』というメールが入り、
次には
『待たせてゴメンネ。今日楽しみにしてるから。』というメールが入り、
最後には
『大事なお客さんとの打ち合わせが急に入ってしまって…。今日は行けなくなっちゃったの。ごめんねm(__)m嫌いにならないでね。今度会うの楽しみしてます(^0^)』
なんていうメールが一時間おきに来ているのでしょう。
彼は一時間後、我々の前から姿を消しました・・・。
かわいそうになぁ・・。
なんて言っている私たちの待ち人が現われたのは、それからさらに2時間後のことでした(泣)
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