その4.魅惑のサタデーナイト尾行
コンビニから車を出した彼は、路地を抜け、大通りに出て、またまた空いた道路を飛ばして行きます。
そんなに急ぐのは、
アイスが溶けちゃうからだろっ!
そんでもって、この調査が終わったら、
土谷も絶対クッキー&クリームを食べるもんね。
そんなことを思いながら、土谷を乗せた探偵3号も喰らいついていきます。
やがて車は住宅街に入り、一軒のマンションの前に止まりました。
見るからに高そうなマンション。かなりいいところのお嬢様か、水商売系と見た。。
あぁ、ついにこの時がきた!
尻尾をつかんでやるから覚悟しな。
探偵魂に燃える土谷。
マンションの入り口に立ち、携帯で話しているターゲット。
来るか、来るか、
キタぁー!
・・・。
スーツを着た、おっさんが二人。
なんでやねんっ!
彼はオッサン二人を社用車に乗せて、来た道を戻ります。
なぁーんだ、部長だか専務だかを迎えにいっただけなのね。
緊張して損した。
でも、あれっ ?
何かひっかかることがあるゾ。
彼の車を追うかける土谷の脳裏に、なにか割り切れないものがあったのです。
あぁっ!
ハーゲンダッツ!! ( × 2 )
そういえば、あれはいったいどーなったんだ?
気になる。
まさか・・・
信号待ちで彼の車が止まったときに、そっと、左後方から車内をチラ見。
やはり・・・
部長と専務(らしきオッサン)が、
一心不乱にアイスを食べている姿が!!
オッサンの好みまで熟知しているとは。サラリーマンも辛いよねー。
そのまま会社に戻り、夜遅くに自宅に帰った彼の姿を見て、あらためて日本経済はこういう人たちに支えられているんだなぁ、と感じてしまった土谷なのでした。
- 2005.08増刊号 その1.魅惑のサタデーナイト尾行
- 2005.08増刊号 その2.誘惑のサタデーナイト尾行
- 2005.08増刊号 その3.疑惑のサタデーナイト尾行
- 2005.08工作前夜の姿…
- 2005.07増刊号 探偵、海へ行く!
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