修行記|盗聴器は罪にならない!?

盗聴器は罪にならない!?

最近、というわけではないですが、色んなことにお疲れだという方が多く感じます。
自分に厳しくし過ぎず、「自分へのご褒美」というものがあるといいですね。

ただし!
その「ご褒美」とは、他人に迷惑をかけてはいけません。

ストーカー行為を行う目的として、「相手へ自分の気持ちを伝えたい」だけではなく、
「単に自分の欲求を満たしたい」と考えている人は多いかと思います。

・・・その一方的な気持ちは、きっと誰かに迷惑をかけてるのではないでしょうか?

例えば、ネットで「盗聴器」と検索すると、何千種類という盗聴器が販売されているとわかります。
昔は一台10万円などしたのですが、今では数千円単位で売られています。しかもどんどん小型化されているのです。

それだけ販売されているということは、それだけ需要があるということですよね・・・

「犯罪なんて自分には関係のないこと」とは絶対に言い切れない世の中になってきたのです。

そこで、前回の探偵修行記で問い掛けました「盗聴器は違法なの?」について答えていきたいと思います。

盗聴器は他人のプライバシーをこっそり覗き見するのと同じことだから、犯罪以外のなにものでもない!!
と普通は思いますよね。

盗聴器を仕掛けることはよくない。
しかし、必ずしも犯罪とはならないのです。

まず何が違法になるのか。
盗聴器を仕掛ける人物の目線から、事例を一つ挙げてみましょう。

「最近初めて心から好きになった女性ができた。
付き合う前には、彼女のことを全て知らないといけないと思い、盗聴器を仕掛けることにした。
まずは彼女が好きだというぬいぐるみに盗聴器を仕込んでプレゼントをする。
これには彼女も喜んでくれ、彼女の日常の会話が聞くことができた。
しかし電池切れですぐに使い物にならなくなった・・・。
そこで自宅にこっそり忍び込み、三又コンセントと固定電話に盗聴器を仕込む。
これで永遠と彼女の電話内容と生活音を聞くことができる。」

以上です。
想像で書いてみましたが、なんだか途中から恐ろしくなってきました。
行き過ぎた愛情は、常識をも鈍らせてしまうのですよね・・。

まず、前半はこの男性は彼女にぬいぐるみをプレゼントし、そこで得た情報を口外しませんでした。
実はこの時点で例え盗聴器に気付かれたとしても、男性は犯罪と判断されにくいのです。
この男性は、単に「自分で購入したぬいぐるみと盗聴器を他人にプレゼントしただけ」なのです。
罪と判断される部分がないのです。

「内緒で彼女の日常生活音を盗み聞きした」部分に関して、罰することができそうですが、実はそれも難しいのです。
例えばアパートの隣との壁が薄いために日常生活音が聞こえてしまっても、犯罪にはなりませんよね。
どんなに常識的とかけ離れていると思っても、犯罪行為をする上で法律の抜け穴があるのです。

そして後半では、男性はついに彼女の自宅に忍び込んでしまいました。
これは立派な「住居不法侵入」として罪に問われます。
また、三又コンセントや電話機に盗聴器を仕込んだため、「器物損壊」と他人の電気を盗んだという「窃盗罪」に見なされます。
他にも、固定電話を盗聴すると、「有線電気通信法」や「電気通信事業法」に当てはまります。
更に聞き出した情報を他者に話すことで、「電波法」や「ストーカー規制法」によって罪に問われる可能性が出てきます。

このように「盗聴器を仕掛けること」自体は罪になりにくいのですが、その他の要素が兼ね合わせて犯罪とされるのです。

何よりも、盗聴されたがための精神的苦痛は大きいと思います。
その当事者の苦痛は、計り知れないものでしょう。

本当に好きな気持ちがあるのであれば、他人が嫌がることは止めてほしいものです。

ちなみに「探偵は調査で盗聴器を仕掛けることもあるの?」とよく聞かれるのですが、以上のように犯罪になる可能性があるため基本的には行いません。
ストーカーをあぶりだすために、仕掛けることは今後あるかも・・・?

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