修行記|車両尾行のいろいろ ~車vsバイクのケース~

車両尾行 ~車vsバイクのケース~

みなさんお久しぶりです、久米です。
今月は前回に引き続き車両での尾行についてですが、車移動の対象者をバイクで追跡する場合について書いてみたいと思います。

バイクで車を追う時にまず留意すべきなのは、「車のドライバーは自分の後方にいるバイクを常に気にする」という点です。
それは安全面からの話なのですが、ドライバーは自分が車線変更したり右左折したりする際に特にバイクを巻き込まないよう注意を払って運転しているものです。そのため、対象車両のすぐ後ろをバイクで走っていると何度も姿を見られることになり、対象者に認識されてしまうリスクが車で尾行するケースより高まるのです。みなさんも車を運転される時に覚えがあるかもしれませんが、バイクなのにずっと後ろにつけられていると「なんで早く行かないんだろう」などと落ち着かない気持ちにさえなることがありますよね。
したがって、バイクで尾行する際は対象車両と自分の間に少なくとも一台は別の車を挟むことが必須となります。もちろん、二車線以上ある道路であれば対象車両とは別の車線を走るのがさらに低リスクでしょう。

二点目としては、基本的に「すり抜け」はせずに周りの車と同じように道路の真ん中あたりを走ることです。
事故防止という点ももちろん関係していますが、やはりこれも自分の存在を目立たなくする方法の一つなのです。たまに片道三車線などの大きな道路で縦横無尽に走っているバイクを見かけますが、車線変更やすり抜けをすればするほど、周りのドライバーたちから認識されやすくなるのは当然のことです。
信号の変わり目や、対象車両が突然イレギュラーな動きを見せた場合などの急を要する時を除いては、できる限りすり抜けは控えるようにしています。

次に注意したいのは「音」です。
バイクの走行音はやはり車のそれと比べて誰の耳にも届きやすいものです。当然、バイク自体に工夫をしたり走り方にも気をつけながら追跡するのですが、前提として車の音よりも耳に響いてしまう点は要注意でしょう。

車で車を追う場合と比較して、バイクの方がメリットが大きい部分もありますね。
その最たるものは、なんと言っても機動力です。車では不可能・難しい走行でもできてしまう点が、バイクの最大の持ち味です。
それは都内か地方か、日中か夜間か、晴天か悪天候かを問わず常に発揮されるものです。狭い道の走行、Uターン、瞬間的な加速、渋滞の回避、後追いの際の距離回復…などなど、調査中に「バイクで良かった~!」と思わされることは多々あります。
また、車に比べてコンパクトな点も非常に助かるところです。それほど置き場所に困らなかったり、乗り捨ても簡単にできてしまうのは本当にありがたいですね。

車両を使っての尾行と、バイクを使っての尾行。
それぞれ特長が異なるため、適材適所を考えて正しい選択をすることが肝要です。

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