修行記|尾行は単なる追跡にあらず

尾行は単なる追跡にあらず

みなさん、お元気ですか。
どうにかこうにか、夏バテも夏風邪も味わわずに秋を迎えられそうな久米です。

さて今回は、タイトル通り尾行についてのエピソードをお送りします。
対象者を尾行するというのは、当然ながら彼らがどこに行くのか・誰と会うのかといったことを突き止めるのが主な目的なのですが、それ以外にも「情報収集」という大きな意味があります。

まず簡単なところで言うと、撮影による情報収集があります。

対象者の容姿や服装などをアップで撮ったり引き目で全体像を撮ったりするわけですが、顔のアップ一つ取ってみても、そこから思わぬ情報を得られることがあります。
たとえばですが、何回目かの調査で「今日は今までと違って大きなピアスをしている」という発見があれば、その日は普段と違う行動に出るかもしれないと現場で予測を立てることができ、その後の尾行に有効活用できるでしょう。
はたまた、男性対象者を追っていて「鞄のブランドが変わっている」と分かれば、そこから浮気相手の存在が推測できることさえあるのです。
これは過去の実例なのですが、依頼人である奥様も気づいていなかった情報を撮影によって入手できたりもするのです。

次に、対象者の動きを注視する中で入手できる情報です。

徒歩で尾行しているケースなら、歩行に関する特徴や癖なども非常に大切な情報となります。
歩く姿勢やスピードをはじめ、ガニ股・内股気味といった特徴、道のどこを歩くのか、歩きながら何をするのか…等々の情報を事務所のスタッフ全員で共有することで、もし現場に入る人員に一部変更があっても捕捉に関する不安が生まれず、万全を期すことができます。
歩きながら電話をしている・メールやり取りをしているといった場合は、当然そのコミュニケーション内容について可能な限りの入手を試みます。電話で口にした言葉やメールの文面に見られた単語が後々の調査展開を変えた、というのは結構よくあることです。
対象者がどこかに立ち寄れば、そこも多くの情報を集められる場になります。デパートであれば、そこで何を買うのか・一回の買い物でどれくらい買うのか・現金なのかカードなのか。飲食店であれば、何を食べるのか・お酒は飲むのか・どれくらい滞在するのか・店員とは顔馴染みなのか。情報は、あって余計ということはありません。

案件によって求められる情報の種類は多少異なりますが、その後の調査や工作にとってどんな情報が有益となるか分からないため、現場スタッフは先入観や思い込みを持つことなく常に新規情報を得ようと五感(味覚はないですね…)をフル活用して尾行しているのです。

以上のように、ひと言で尾行と言っても単に追いかけるだけではプロの仕事になりません。
同じ1時間の尾行でも、そこからどれだけの量の情報を得られるかが肝心なのです。
尾行は調査の原点なので、そういった点を含めて総合的に高い「尾行力」を持った探偵社を選ぶことが、調査・工作全般の効率的な進行にとても深く関わってきます。

ご依頼をお考えの方は、是非ご参考にしていただければと思います。

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