修行記|ペット探偵

ペット探偵

先日、感動の再会があった。
ペット専門ではないので、「ペット調査」とか「ペット探偵」というのは業務案内には載っていないのだが依頼があった際は、やる。

うちの所長が、めっちゃくちゃ動物好きということもあり、迷子のペット捜索が入ったときはかなり気合入れてやらされる。
赤字じゃないの・・・と新人の俺がいらぬ心配をする程だ。ペット探しじゃなくても、常に依頼人には親身になる所長の人柄に惚れてるんだけどさ。

そうそうペット探しの仕事は、けっこう難しいんだよな。
犬の場合は目につきやすいが、特に猫は狭いところに隠れる傾向があるから非常に難易度が高い。言い出すときりがないが、多いのはやはり犬、猫。
猫の行動範囲は狭いといわれているけど、すぐ近くにいても全く出会えない日々が続き、家から数メートルのところで発見できたということもあった。飼い主さんが見つけようが、こっちで発見できようが結果的に戻ってくれればどちらでも嬉しいのだが、自分が見つけられたときはやっぱり感動がでかい。
対人間の人探しの場合は、逃げている人を探すことも多いので感動の再会とはなりにくい場合もあるが、動物の場合は無条件に喜べる。
外にいる間に、野良猫と喧嘩になり怪我から病気に感染してしまったりとかわいそうなことに遭ってしまう猫も多いのだが、それでもやっぱり飼い主さんの元に戻れるか戻れないかで全然違う。

先日、数日の捜索の上見つけた猫はガリガリに痩せていてぶるぶる震えていた。
俺が近づいても逃げられる可能性があるため、どうするかというと方法はいくつかあるのだが、今回は網で捕獲した。飼い主さんが間に合う状況なら来てもらうこともある。飼い主さんが到着するまでに、えさをあげたらまるで餓鬼のようにガツガツ食べ始めた。かわいそうに、何日も食べていなかったんだろう・・・。
猫はある程度何日も食べなくても大丈夫と言われて入るが、この衰弱ぶりからするとあと数日発見が遅かったら大変なことになっていたかもしれない。
高価な種類の猫だったため、盗難の可能性も考えられていたが見つかって本当に良かった。幸いなことに、病気も怪我も大丈夫だったらしい。
家猫は、外に慣れていないので野良猫に襲われやすいのだ。
そして、飼い主さんの心のケアも求められる。
大事なペットがいなくなった飼い主さんは、ものすごいショックに襲われている。
それを励まし、力づけるのも大事な仕事だ。

そんなこんなで何度かペット探しに携わるうちに、実は、俺はあまり動物好きではなかったのだがこの事務所に入って馴れた。というよりむしろ動物好きになってしまった。
自分でも、犬か猫を飼いたいと思うのだがさすがに一人暮らしではキツイ。うおー!一緒に住んで動物を飼ってくれるカワイイ彼女が欲しい!!考えたら悲しくなってきた!!

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