車両尾行のテクニック

相手に気付かれずに車を追う方法

さてさて、先のコラムでもタクシーがいかに探偵と密接な関係にあるかについて語ってきたが、いつも尾行をするのにタクシーを使っているわけではない。実は、ほとんどの場合、地方に行ってもレンタカーを借りている。

いくらタクシーが頼りになるからと言っても、当たりばかりとは限らない。中には使えない運チャンだっている。要するに、自分たちの力ではどうすることもできなかったり、急な展開で利用せざるを得ないときしか、タクシーを拾うことはないのだ。餅屋は餅屋。タクシーの運チャンは運転のプロだが、オレたちは追うのが商売。車の尾行にも、いろんなメソッドがあるんだなぁ。

~極意 その1~
大胆さと臆病さを同時に持つべし!

ズ~とケツにくっつけて追うなんてバカでも出来る。しかし、そんな追い方をしたらどうなるか。その通り!バレちゃう。では、どうすのか。

追い方に緩急をつけるのだ。たとえば、交通量の多い道で対象車両を追う場合は、ギリギリまで詰めて追う。一方、田舎の田んぼ道なんかを走ってる場合は、遠くで確認しながら追うなど、周りの状況に合わせた追い方を心がけるのがコツってわけ!

~極意 その2~
いないいないバ~! な尾行で誤魔化すべし!

ずっと追いかけている場合、相手のバックミラーで確認される位置をキープし続けるのは、いささか気まずい。そこで、ほかの車の流れを見ながら、ほどよくリセットするのだ。具体的には、たまに関係ない車を挟み込ませるのだが、ちょっとベタ付きで追う時間が長くなったときなどに、軽く車間を開けてほかの車を間に入るようにする。追われている方も、一度、視界から消えたら、また同じ車が現れても、偶然、同じ車種の車が出てきうたんだろうくらいにしか思わないもの。心理ってやつなのだが、そういうメカニズムを利用するのだ。気まずくなったら、一度"いないいないバ~"でリセットするのが探偵の常識なんだなぁ。

~極意 その3~
抜き足、差し足で車を追うべし!

一言で言うと、徒歩で追ってるような感覚で車を追えということなんだが、このワザを使うときは、クライマックス!

たとえば、浮気相手を車で家まで送ろうとしている不倫男を追っていたとする。となると、最後のポイントは住宅街になるケースが多い。つまり、ベタ追いができないエリアで追わなければいけないということ。
徒歩で追う場合、相手が角を曲がった瞬間にダッシュで間を詰め、覗き込んで方向を確認。また曲がったら、さ~~~っと走って確認という繰り返しで追う。これを車でやるのだ!

相手の車が曲がったら、一気にアクセルを吹かして詰め、静かに頭を出してサイドから方向を確認する。直線の道を追っている場合は、時折、駐車場に入るなどして、徒歩で追ってるときに電柱の裏へ姿を隠すかのような動きをすることもある。車でも、徒歩で追うときのような"わびさび"を醸し出せということ。慣れてくると、「アレ? オレ、車を運転してたんだったっけ?」くらいの"ゾーン"に入った状態で追うことができるんだなぁ。

餅屋は餅屋。調査を考えているのなら、調査会社へ依頼するのがベスト!くれぐれも自分で尾行はしないようにしましょう。


大阪ナニワのブルース

トップページに戻る