変身！ スゴ腕探偵ドライバー!?
対象者が突然、立ち止まり、車道を向いて手を挙げた。
『マズい、タクシーを拾うつもりだ！』。
すかさず、後続のタクシーを捕まえて追跡体制に入る。
「すいません、前のタクシーを追ってください！」
と、こんな火曜サスペンス風の展開を見せる現場もあるわけです。
まあ、運よく後続のタクシーが捕まえられたらの話ですが…。
しかし、タクシーの運転手なんて、素人なワケだから、
捕まえられても上手くいかないんじゃないのですって？
それこそ、素人の発想ですよ。だって、タクシーの運転手さんたちは、
スゴ腕の探偵ドライバー揃いなんですから！
「前のタクシーを追って！」。そう言ったあとのリアクションって、「ハイ」くらいなもの。
都内のドライバーさんは、寡黙な方々が多いのです。
でも、仕事はキッチリ。尾行してます臭をまったく出さずに、最後までつけきってくれるのです！
『あ、ヤバイ、前の車が黄色信号で突っ切ろうとしてる！』
というときは、すかさず加速。ちょっとゴメンナサイな感じで、こちらも突っ切ってくれます。
「この感じだと、渋谷の南口かもしれませんね…」
オレだったらこう行くね的な経験則を織り込みつつ、コースを分析して、最終目的地まで予測してくれたり！
いいぞ、運チャン！
追跡の間、無駄な口はいっさい聞きません。黙って追跡してくれる。
しかも、腕前は申し分ない。なにせ、運転が本業だし。
道だって、誰よりも詳しい。ホント、頼りになるったらない！
『あ、ハザード点けた！ 停まるぞ！』
というときは、対象者のタクシーをスルーして、怪しまれないポイントで停車。
って、それじゃ見失っちゃうじゃんと思っても、
「あ、○×ﾋﾞﾙに入っていきましたね」
とか、バックミラーでキッチリとフォローしてくれてたりする。
エクセレント！ 運チャン！
たまに、追跡をお願いした瞬間、白手袋を取ってダライビング・グローブをはめる
本気モードの運チャンまで居たりします。
ただ目的地に送るだけじゃつまらないけど、どこへ行くかわからない相手を追うのって刺激的。ちょっとした"ディテクティヴ"気分を楽しんでるのかもしれませんね。
地方出張のときなんか、さらに頼り甲斐ありますよ。
地理関係が不利だから、とんでもなく信頼の置けるパートナーなわけですよ！
が、しかし。地方特有とうか、好奇心旺盛というか、おしゃべり好きの運チャンも多い。
そんなエピソードの数々は、次回の九州・小倉編からスタートです！