コラム|車両尾行の現実

車両尾行の現実

徒歩で出掛けた対象者が、急に路上で手を挙げた。

「タクシーだ。タクシーを拾うぞ!」

探偵たちもすかさず後続のタクシーを捕まえて追跡を続行した…。

な~んて、ドラマじゃあるまいし! 
そういつもいつも、都合よくタクシーがくるわけないじゃん。

刑事ドラマだと、車で車を当たり前のように尾行してるけど、そもそも、それ自体、けっこう難易度が高い。

●都会の場合だと、信号ひとつパスされただけでOUT。
●田舎だと、離れて追わなければ目立ち過ぎるし…。

つまり、車両尾行にはリスクがつきものということなのです。

そ・こ・で、導入しているのが、バイクなんですねぇ。
教習所で習いませんでした? 
バックミラーの死角にバイクが居ることがあるので、車線変更するときは、必ず目視することって。そう。この死角に潜みつつ、追うのです。しかも、バイクの特質である機動性は、調査においてバツグンの効果を発揮するのです。Uターン、ちょいとスリ抜けなど自由自在。獲物を狙う鷹のごとく、対象者を追いかけていくのです!

対象者が車両を使うとわかっている調査の場合は、車とバイクの二段構え。
バイクがピッタリとマークし、車チームが見失った場合でもフォローできるようにしておくのです。

対象者が徒歩の場合でも油断は禁物。大通りまで出てタクシーを拾うこともあるからです。そんなときのために、バイクを用意しておく。対象者が徒歩のときは、距離をおいてマーク。一方通行だったら、押してつける←夏はけっこうツライ…。
そして、万が一、手なんぞ挙げたりしたら、ピュ~ンと加速して背後につけ、尾行していくのです。このとき、徒歩部隊のひとりを後ろに乗せたりします。
対象者がタクシーを降りた瞬間に、すぐ尾行できるようにするためです。

調査にもリスクはつきものです。対象者の動き次第で相当、振り回されることもある。なので、万全の準備が必要になってくるわけなのです。費用はたしかにかかるかもしれません。そこのさじ加減が難しい。費用を抑えてリスクを増やすか、リスクを減らして結果を求めるか…。
まあ、突発的にタクシーを拾われても、後続のタクシーを捕まえられる幸運もないわけではないので。

そうそう。タクシーって、けっこう探偵にとって強い味方だって知ってました?
運転手もキャラクター豊富で、笑えるネタ満載だし。

といったこぼれ話は、また次回ということで!


大阪ナニワのブルース

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