月刊ジャーナル|探偵が教えるギョーカイ用語の使い方

探偵が教える!ギョーカイ用語の使い方


「まずマルタイのヤサを洗うため勤務先にて張り込みを行います。」

たんてーっぽい!!

こんなイメージされていないでしょうか?
いやはや私も探偵になる前はこんな感じで意味不明な探偵用語でいつかは話すのかと思っていたのですが。。。
最近だとそこまで難解な用語は使わないですね。というより探偵業に浸り過ぎたのかどれが探偵用語なのかがわかりません。
ただ相談者や依頼人と話すとき、探偵BARにいるときは実際は探偵用語を使っているんだなと少しだけ感じることがあります。

「まずは対象の宅割をするため勤務先にて張り込みを行います。」

私はこのような言葉が一般的に使われるものだと思っていましたが、分らない人には対象と言っても「??」となってしまうようです。内側の人間はそれが一般だからわからない。そんなことから探偵用語集なるものを作ってみました。
探偵が使う探偵用語だけではなく、「有責配偶者」などちょっと難解な法律用語まで入れてあります。随時更新していきますので楽しみにしててください。

まぁ上記の用語に関しては比較的わかりやすいかと思いますが、そもそも探偵用語ってなんで存在するの?と疑問に持たれる方もいらっしゃるかもしれません。そこで小噺を一つ。

探偵社ってのは民間の調査会社。民間のって言葉がつくのであれば公共の調査会社があるってこと。それはつまり警察のこと。
探偵用語っていうのはもともとは警察用語の一部でもあるわけです。また探偵社は警察OBがその知識を生かして始めている人や天下り先なんていうところもあるため、警察用語が浸透したのでしょう。そのため「二号」とは探偵用語でコカインのことを指すなんて言っているところもありますが、そもそもが覚せい剤関連の仕事がないため、使いません。ただこのように隠語?を使うことで周りの人に調査をしていることに気づかれないという利点はあります。

ただ、マルタイはあからさまでしょ!

マルタイの女なんていう映画がありましたので、言葉が有名になってしまいました。本来の目的を失ってしまった言葉です。
マルタイなんて言ってたら「この人たち何かしら??」なんて思われてしまいます。そのためマル何某は廃れていくでしょう。
そんな中でも略語は生き残るかと思います。やはり迅速こそ探偵に必要なことなので言葉はできる限り短くする必要があります。

「下準備として本件で行う初期の調査概要に関しては、当該対象者の自宅を特定するため、勤務先付近にて待機し、同対象者の退勤を待ち、外出した際に尾行をすることを行います」

こんな風に言っていたら何言っているのか逆にわかりづらいですね。

「宅割のため職場で張り込み」

主語がなくなりましたがこれで充分通じるのではないでしょうか?
ちなみに宅割とは宅(自宅)を割(判明させる)ことです。ヤサを洗うってのもヤサ(自宅)を洗う(判明させる)ってことです。
こんな感じで探偵用語は生きていくんだろうなと最近思うようになりました。

元々は警察用語だったものを転用した探偵用語。
ただ新たに作られた言葉であれば同様に探偵用語として使えるのかもしれません。

例えばこんな言葉

ちゃんこ
[名]ちゃんことは太った人、かっぷくのよい人物のこと。その人物の体型を指す。同義語は「肉」。

煮込・み【にこみ】
[動マ四]男女がラブホテルなどに一緒に入る様。もしくはその状況。例)「ちゃんこと―まれる」。
[名]肉体関係のこと。不貞の行為そのものを指す。例)「―みの関係」。

メス
[名]おんな。婦人。女性。一般には、成人した女をいう。例)「―ちゃんこ」。対義語としてオスがある。

こんな感じでしょうか。
「メスちゃんことオスちゃんこは煮込まれました。」

本当に使っているかって!?
信じるか信じないかはあなた次第です。

おそまつ。

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