月刊ジャーナル|ハーグ条約って何なの!?探偵業との関係は?

ハーグ条約って何なの!?探偵業との関係は?

FBI(アメリカ連邦捜査局)はテロやスパイなどの国家の安全保障に関わる公安事件や凶悪犯罪などを対象とした事件を扱う機関。日本でいう公安警察のようなところ。
そこのホームページ上には国際指名手配をされている凶悪犯リスト?のようなものがある。日本でいう「御尋ね者リスト」のようなもの。

http://www.fbi.gov/wanted/wanted_by_the_fbi

ウォンテッド バイ ザ・エフ・ビィ・アイ。

エフ・ビィ・アイ!!エフ・ビィ・アイ!!!USA!USA!!

英語は苦手なんですが、やっぱりかっこ良く見える。
FBIって響きがハードボイルド的な感じで。

なんせ日本だと

「ピーポ君」

ですから。

wonted

さて、このホームページは情報提供に関するページで凶悪犯だけでなく行方不明者なども表示されますが、なぜかここには爆破テロ犯と並んで日本人もリストアップされています。
しかも、表示される日本人はすべて女性。

日本人女性が爆破テロ!?凶悪犯罪者??そんなことありえんだろ???と、まさかと思い見てみるとそうではないようです。

罪状は誘拐。未成年略取。誘拐されたのは誘拐犯の子供。
要は離婚後の男女の問題、親権などにFBIが首を突っ込んでいるってことです。

↓アメリカ人と知り合う。
↓国際結婚をすることになり渡米。
↓慣れない生活の中、子供を出産。
↓夫婦関係が悪くなり離婚話となる。
↓離婚はするも仕事もお金もない。
↓とりあえず子供を連れて実家に帰る。
 誘拐犯として刑事告訴。FBIが国際指名手配。←いまここ

夫婦喧嘩は犬も食わぬとは日本のことわざ。アメリカではそうではありません。こと子供が絡むのであれば尚更です。

親権は親の権利と書きますが、あくまでも子供の利益を優先する。
これに関しては日本もアメリカも同じです。
子供が慣れ育った場所でその後も生活すべきと考えるのが妥当で、わざわざ日本まで連れて行く必要はないだろうという考え方のようです。この辺りは日本でも同じ考えでしょう。しかし、日本とアメリカでは家族法が違う。

日本の法律では親権者はどちらかの親に。
しかし諸外国では共同親権っていう形を取っているのです。

離婚するのは親の勝手。
子供の権利くらいちゃんと守ろーぜってのが世界の考え方なのだとか。
日本では明治以降法律の改正がされていません。近年になりそろそろやばいんじゃねぇの!?ってことでいろいろと話し合いがされているのだとか。

ハーグ条約っていうのがあります。

これは国際結婚で破たんした夫婦間の子供の扱いをどうすべきかというのを定めた条約です。
自国の法律ではなく、共通の規定を設けましょってのがこの条約の内容。
しかし、記した通り根本の考え方や自国の法律が違うためギャップが生まれてしまうようなのです。

子供が幼少であれば親権者は母親が有利。これが日本の考え方。
海外の場合は共同親権。つまり喧嘩別れしようが、略奪愛の末ドロドロ離婚をしようが、それは子供とは関係ない。
産んだ以上はお互いに義務が生じる。しっかりと子供の面倒を見なければならんってのが外国の考え方。
このように根本の考え方が違うため、同じ規定を設けるのが難しいのです。

そのため、現段階で日本はハーグ条約に加盟しておりません。
つまり離婚後に子供を日本に連れてかれてしまうと、ハーグ条約に加盟していないため返還請求が出来ません。そのため夫は誘拐犯とし警察に届け出を出すとかしかできません。
また日本で子供を産み、離婚後アメリカに子供を連れて行った場合も同様に返還請求が出来ません。また日本の場合誘拐犯として警察に届け出を出してもよっぽどの事が無い限り受理はされないでしょう。

ではハーグ条約に入ったほうがエェんでねぇの??となりますが、そうなると日本の法律を変えていかなければならないということになります。
でもどうやら今年中に何とかしようとしているようです。日本の法律はどうなるんでしょうか。

弊社は探偵社ですので、法律的に何かが出来るというわけではありませんが、この手の相談は多く寄せられます。
提供できる業務は「調査」となり、出来ることも限られておりますが、子供を取り返したいという親は藁にもすがる思いなのでしょう。
ちなみにこの手の相談は国際結婚に限らずです。

お伝えした通り、日本では共同親権ではありません。どちらかに親権を決め、親権者が監護権も委ねる形となります。
子供が幼少であれば母親が親権者になるのがふさわしいという若干男女差別的な判例をもとに、親権者が決められます。
面会交渉権というのもありますが、離婚事由が酷ければ、そんな相手に子供を合わせる必要なんかない!って思う親もおり、実際に会えない親も多いようです。
親権者は母のため、この手の悩みをもつのは夫です。夫婦関係が上手くいかない、離婚はしたいが子供は手放したくない。なんとかならんかね??と悩む方は多いです。
そのため色々と調べたりしますが、なかなかそれを満たすものを取得するのは難しいんですよね。今のところ有効なのは相手が親権を手放す形にするしかなさそうです。

このように国内ですら親権のトラブルは多発しています。
「人類みな兄弟。仲良くやろうよ」といっても三行半を突きつけた相手と仲良くやろうっていうのは簡単ではありません。
条約がこうだから、法律がこうだからって言い合って結局は争いごとは起きるでしょう。

子供のためを思うのであれば離婚しないってのが筋でしょ!と、浮気調査をしている探偵がいうことではありませんが...。

この条約に加盟することで、今後どのようなことが起こるのでしょう。

探偵業はある種の「離婚ビジネス」。
ハーグ条約に加盟することで日本の法律も変わる可能性もあるでしょう。場合によっては飯のタネが無くなる可能性もあるかもしれません。
でも、新たなものが出来るということは、そこに新たなビジネスが生まれる可能性もあるでしょう。
国際結婚も増えているってことで、その分男女のしがらみっていうのは増えそうです。

強制執行をするためには相手の居場所を調べなければならんでしょ!?ということは...。⇒http://www.faxtantei.com/hitosagashi/

夫婦間の悩みがある方は離婚相談・親権問題相談のページを見てください。

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