コラム|ネットの落とし穴 ストーカーの実態

ネットの落とし穴 ストーカーの実態

こんにちわ。土谷一樹です。

これから本格的な梅雨シーズン到来ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
最近、弊社経営のなどがテレビ等のマスメディアで紹介されております。

日本テレビ系列「今日の出来事」の名物コーナー「定点観測」や
TBS系列深夜放送、白石美帆さん司会の「Pooh!」など。

「ネット探偵」なんていう呼び方で紹介されています。

ある意味、世相を写す鏡としての一面が浮き彫りになってきます。
援助交際に走る娘を叱れない親たち、ネット上でストーカー被害に会う女性、出会い系サイトで知り合った異性にお金を貸してしまう人・・・等など。
現代ならでは、といった内容の案件が増加してきてます。

今回はネットから派生するストーカーの実態について少し触れてみたいと思います。

インターネットの普及に伴い、誰でも気軽に情報交換できる時代になりましたよね。
様々な掲示板や出会い系チャットなどで、日本中・世界中の人とコンタクトがとれるわけです。そこでは現実社会と同様にいい人も悪い人もいるわけで、板上ではいい人ぶって、中身は最低レベルという人間もいることは、皆さんお分かりになっていると思います。  しかし匿名制で守られているからこそ安全なのであって、自身の「個」を特定しうる情報を与えたり、携帯電話番号を教えてしまったり、なにげなく交わした会話というところから問題が起こることが多いのです。

サイト上で意気投合し、携帯電話番号を教え合い、ロクに本当のことは知らない相手と会う。そのときはその後不仲になることなど、もちろん想定してないでしょう。
しかし、時には不幸な出会いになることがあるのです。

そうなると、一転していがみ合い、誹謗中傷の嵐となります。
無視をすればするほど、相手はつけあがり、また根気よく相手をするのも精神的に疲れ、もうウンザリ・・・となるです。

いずれにせよ、安易な気持ちで始めたことが大きなトラブルへと発展していくのです。
仕事柄、我々はそういったケースを数多く見聞きします。

疲れ果てた表情を顔に浮かべながら、事務所にたどりつき、そういったお話をされる依頼人様の声を聞いていると、どんなに冷静に話しているようであっても、その裏に渦巻く激情・混沌・困惑が垣間見えてしまうのです。

そんな案件の中から一つ、スタッフ佐藤から聞いた事例を紹介しましょう。

その日は昼から雨がふり、街も火が消えたように静まり返っていました。
依頼人である彼女が来店たのはそんな静かな夜のこと。

友人女性と二人でカウンターに腰を落ち着けた彼女の表情には迷いが見られました。

友人女性がせき立てるように彼女を見やります。

熟練スタッフである佐藤はそんな二人の様子を見て取り、さりげなく彼女に近寄り、
「ご注文は何になさいますか?」
と、こう優しく尋ねたそうです。

「カンパリオレンジを。」

「かしこまりました。」

カクテルをすばやく、かつ丁寧に作り、彼女の前にゆっくりと差し出す。

「ありがとう。」

と言って一口グラスを傾ける彼女。

「おいしいわ。本当にアナタ探偵さんなの?」

「そうですよ。バーテンダーもできるんです。
お酒を作り、おいしく飲んでいただきながら気軽に相談を受ける。
それがスタイルなんですよ。」

「・・・。」

「なにか悩み事がおありのようですね。」

佐藤がそう水を向けると、彼女は堰を切ったように話し始めたそうです・・・。

なんかえらくカッコよくねーかっ!? とお思いの方もいるとは思いますが、佐藤から聞いた内容をそのまま描写しております・・・。あしからず・・・。

彼女はとある出会い系サイトで知り合った男性数名と浮気を重ねたそうです。

   ん? 待てよ。 浮気??

そう、彼女は既婚者だったのです。
「人妻の危険な火遊び」といえば聞こえはいいのかもしれません。(いいかぁ?)
土谷の脳裏にもなにやらピンクのモヤが掛かってきます。
いかん、いかん。
妄想は置いといて、と。

彼女にしてみれば単なる遊びだったのですが、相手が皆そうとは限りません。
本気に彼女を好きになってしまった男性がいたらしいのです。
そんな相手に対して既婚者であることを隠していた彼女・・・。
彼から
「ワイフとは別れる。子供も向こうに渡す。だから一緒になろう!」
と言われたそうです。

   ん? ワイフ?? ん? 子供??

そう、どうも彼も既婚者のようです。
うーん、一体どうなってるんだ???

   これでいいのかニッポン!?

そんなことを言ってる場合ではありません。
彼女はご主人とは別れる気はもちろんありません。
なぜなら遊びだったのですから・・・。

さあ、それからが大変です。
彼女は既婚者であることを彼に告げ、彼の要求は受け入れられないことを伝えました。
すると彼の態度が豹変!

「俺の家庭はもうメチャクチャだ。どうしてくれるんだ?」
「私にはどうしようもない・・・。」

話には同じことの繰り返し。
平行線の一途をたどりました。

その後、彼女は彼からの電話を着信拒否にし、一切の連絡を絶ったのです。

それで解決すればよかったのですが・・・、
その日以降、イタズラ電話・メールに悩まされる日々。
脅迫めいた言葉が浴びせられます。
最初は彼女の携帯、続いて自宅にまで。

   自宅電話番号は教えてなかったのに、なぜ?

実は彼女は車で近くまで送ってもらったりと自宅周辺の情報を彼に与えていたのでした。
何色のマンションの何階に住んでいるという話を、なにげない会話の中でしたことを彼は覚えていたのでしょう。

犯人の目星はつくものの彼については名前と携帯番号、メルアドだけしか知らない彼女。
あとは何県に住んでいるということしかわかりません。
ご主人にも相談するわけにはいかず、仲のよい友人に相談し、ここへとたどりついたわけです。

早速、携帯電話番号から住所・氏名の調査を行いました。
それを元に彼の周辺情報をさらに調べる。
そうして彼を取り巻く状況を把握し、工作への糸口を掴むのです。
家族構成、勤務先などの情報を明らかにして、彼女に対する嫌がらせを止める方法を検討します。

その結果、驚くべきことが判明しました。
彼には子供はおろか、結婚すらしてませんでした。
彼女には申し訳ないですが、偽っていたのはお互い様だったわけですね。

これで彼女は大きなプレッシャーから少し解放されました。
ひとつの家庭を破壊してしまったという自責の念は無くなったからです。

   ここからが逆襲です。

彼のウィークポイントを最大限に生かした工作を仕掛け、無事、誓約書を書いていただきました。

彼女は無事に自身及び家庭を守ったわけですが、何も知らずに今日も出勤してゆくご主人の姿があるんだよなぁ、と思うと土谷、なにか切なくなりました・・・。

結婚について改めて考えさせられる今日この頃です。

そんなこと言って、結婚相手はいるのかよ!?

そんな突っ込みは軽くかわして・・・

軽くかわして・・・

かわして・・・

・・・
・・・・・・

かわしきれず・・ 

(涙)

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